「万葉歌会」
【磐田にゆかりの万葉集の歌】
さくらいおう
桜井王
九月のその初雁の使ひにも
念ふ心は聞こえ来ぬかも
しょうむてんのう
聖武天皇
大の浦のその長浜に寄する浪
寛けく君を念ふこの頃
もののべのこまろ
物部 古麻呂
わ可妻も畫耳かきとらむ暇もか
旅行く吾ワ見徒々し能者む
もののべのあきもち
物部 秋持
可しこ起やみことかヽ婦利明日遊り耶
茅かん多ねむ妹なし二志て
はせつかべのかわあい
丈部 川相
遠江志留波の磯と尓閇の浦と
合ひてしあらば言も通はむ
川勝・静岡県知事の歌
しの名にし負う磐田の郷は古の
奈良偲ばるる国のまほろば いにしえ
【応募短歌】
【一般の部/最優秀賞】佐藤 洋子
田は青く麦の明るきわが巡り
雨に煙れば古代まほろば
【一般の部/優秀賞】 松島 良江
天平の遺構を渡る風を受け
若人育つ学び舎の建つ
【一般の部/優秀賞】 竹内 典子
今行きし鴉の戻る束の間を
旅して遙か天平草生
【小学生の部/最優秀賞】
[6年生]鈴木 梨心
秋の夜空見上げれば星月夜
色なき風さえどこか心地よい
【小学生の部/優秀賞 5名】
[6年生]柴田紗友華
たのしみはなつかしい本取り出して
ふっと笑顔に読み進める時
[6年生]石川 結菜
たのしみはベランダで見る満月を
さーっと風がふきぬける時
[5年生]小泉 明生
国分寺命をかけてたてるんだ
なんでそこまでやるのだろう
[5年生]松岡 央太
国分寺こんな場所にあったのか
あんなに高い七重の塔
[5年生]橋 蒼泉
秋の夜虫がりんりんないている
すこし大きくすこし静かに
【一般の部】
・静かなる天竜川の水の面に夕紅の
映りて耀ふ 長瀬智恵子
・赤石の山脈仰ぐ国府の跡聖武天皇
送り来し歌 中村且之助
・聖武帝国安かれと七重塔令和の空に
甦り来る 中村且之助
・遠江国千二百七十年前国分寺七重塔
まほろばに今 中村且之助
・方言で親しみ交すじじばばも集いて
楽し郷のまほろば 飯田貴美子
・久々に磐田の郷はまほろばの古き
時代を行列に見ゆ 飯田貴美子
・廃校の庭に聳ゆるヒマラヤ杉象徴
なりしと夫遠き目に 藤田悦子
・凍雲のあはひに残る夕明かり古代
の杜に雁金わたる 鈴木初夫
・おごそかに神輿行列供奉の山車祭り
ばやしに皆がえがお 大場雅行
・いにしえの伽藍礎石に神渡し奈良の
都の夢の揺曳 大石 徹
・学び舎は国分寺の跡に建ち学僧今に
学びておりぬ 大石 徹
・新しいシューズのひもを締め直す
歩く向こうは太陽がある 清水直江
・初物のスレンダーなるさつまいも
皮ごとほこほこ甘味が染みる 日馬真代
・天平の遺構を渡る風を受け若人
育つ学び舎の建つ 松島良江
・無限大記号ぐうるり描く蝶
まほろばの野の残像となる 大橋光子
・真っ青な空が呼ぶから出かけよう
マフラー巻いてマスクをつけて 宮本晴代
・早朝を高く鋭く伝えあう鳥たちの
言葉まほろばに降る 杉山俊人
・田は青く麦の明るきわが巡り雨に
煙れば古代まほろば 佐藤洋子
・今行きし鴉の戻る束の間を旅して
遙か天平草生 竹内典子
・風に舞ひ消えゆくまでの風花の
刹那ゆらぎてまほろば明かし 鈴木朋子
・甘酒のやさしさすする水無月の
宵のまほろば雨降りだしぬ 村田美恵
・晩秋の紅葉に混じるつるし柿
ほっこり照りて郷愁さそう 中條 芳
・水蒸気含みていよよ朱に染まる
夕べの空の下のまほろば 山崎美代子
・冬枯れに吹きつく風は金剛の
伽藍甍の見果てぬ迷夢 大石 徹
・新しいシューズのひもを締め直す
歩く向こうは太陽がある 清水直江
・初物のスレンダーなるさつまいも
皮ごとほこほこ甘味が染みる 日馬真代
・天平の遺構を渡る風を受け若人
育つ学び舎の建つ 松島良江
・無限大記号ぐうるり描く蝶
まほろばの野の残像となる 大橋光子
・真っ青な空が呼ぶから出かけよう
マフラー巻いてマスクをつけて 宮本晴代
・早朝を高く鋭く伝えあう鳥たちの
言葉まほろばに降る 杉山俊人
・田は青く麦の明るきわが巡り雨に
煙れば古代まほろば 佐藤洋子
・今行きし鴉の戻る束の間を旅して
遙か天平草生 竹内典子
・風に舞ひ消えゆくまでの風花の
刹那ゆらぎてまほろば明かし 鈴木朋子
・甘酒のやさしさすする水無月の
宵のまほろば雨降りだしぬ 村田美恵
・晩秋の紅葉に混じるつるし柿
ほっこり照りて郷愁さそう 中條 芳
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